ゴミとして焼却されていたものを原材料として、良質のたい肥をつくるこのシステムは、ゴミをとりまく環境の新しいかいけつさくとを構築していけるものと確信しています。
『みえエコくるセンター』では、「たい肥」を利用者側の立場に立って計画する新しい「たい肥化システム」を提案しています。
これまでのたい肥化施設の考え方は、「廃棄物(はいきぶつ)処理」の観点から捉えられており、「資源循環」を考えたものではありませんでした。
一般的に「たい肥」というと、「くさいもの」「汚いもの」という印象ではなかってしょうか。しかしその悪臭は、たい肥をつくる途中で腐らせてしまったもので、それは作物を育てるためのたい肥とは全く違うものなのです。
このシステムでは、生ゴミ〔食物残渣(ざんさ)〕をたい肥の主原料と考えています。「モミガラ」「剪定枝(せんていえだ)、「刈草のチップ」などの副資材(ふくしざい)や、米ぬかやその他の養分材(ようぶんざい)を混合し、微生物の活動のためにほどよい環境を整えて、養分・肥料成分を管理しながら発酵させることで、作物の栽培に最適なたい肥をつくり、自然のなかに帰します。
農作物はほとんどが「土」からつくられます。植物の根っこには水と養分、そして空気が必要です。この三つをそろえられる土を作っているのは、実は土の中にもともと存在する微生物。それが有機物の内容によって、また温度・湿度によって活動が活発になったり静かになり、人間と同じバランスよく水や酸素や栄養をとることで健康な状態となります。
微生物がたくさん住んでいる「土」、すなわち「生きた土」を作ることが植物の病気の発生も抑えられ、何より、おいしい農作物をつくる近道なのです。